にほんご版, Inspired

COVID-19  再生復活的冬眠開始

2020年3月24日朝:5年来任されてきた私立病院内の責任者から「Wellness Centreを当面、閉鎖しなければなりません」と、本当に申し訳ないがという気持ちがいっぱいの電話を受けた。その前の週から予測はしていたけれど、入院中の患者さんからは続けてほしいという声もあっただけに、残念。世界中で猛威を振るうCOVID-19に、組み伏された形である。豪州連邦およびNSW州政府のガイドラインに従い、当日をもって病院外での全セラピー活動も休止を決定。もし自分自身や患者さんの誰かが無症状感染者であった場合のリスクや、社会的責任を考えると、ほかに選択の余地は無い。社会人になってから、相当の年月が流れてしまったけれど、複数の国で、複数の異なる分野の仕事に就き、10年前に出会ったこの仕事、This is My Life Work!と確信できる仕事に出会えた幸と感謝は尽きない、が、さあ、これからいったいどれくらいの間、この状況が続くのか。ここシドニーでは3月28日現在、これまで趣味で没頭してきたダンススタジオや屋外のテニスコートも全面閉鎖され、自分自身、文字通りSTAY HOMEの日々が始まったばかり。今朝の感染者数統計のニュースを見ても、都市封鎖も秒読み段階と見受けられる。

Stay Home暮らし開始から4日目の昨日は、とりあえず外の空気を吸わなかきゃあかんの衝動にかられて、かつて愛犬花子と毎日朝夕散歩した海沿いのゴルフコースに隣接する公園や遊歩道を、1時間ほどかけて歩いてきた。最後にここで犬なし散歩をしてからおそらく5年ぐらい。花子と歩いていた頃は、いたるところにVegetation Restorationエリアがあって、見るからに弱々しい草木や原生植物が、人間の知恵と意志によって保護され、復活再生への冬眠段階だった。それが昨日、何年ぶりかに訪れて、さあ、びっくり!はげはげで弱々しく、生命力に欠けているように見えたここかしこにあったエリアが、どこも見違えるように成長し、見事な植物魂を放っていた。異なる種類の植物同士が、円陣を組んで、近くを行きかう人間と犬たちに、満面の笑顔で迫ってくるような勢い。

時の流れを実感しつつ、これからどれだけ続くかはわからない、これまで経験したことのない今ある現状が一瞬、違う角度から垣間見えた。ただ静かに待機し、表面的には冬眠せざるを得ないこの期間はしかし、千載一遇の貴重な時間に満ちている。

忙しさにかまけて、後回しにしてきた本や教材の積読山。たくさんの患者さんに聞かれるたびに、準備しなきゃと思いつつ、手つかずのまま放置してきた情報発信活動。考えてみれば、今こそ腰を据えてとりかかれる好機到来!

基本的に怠け者の自分を律するのに不安材料も満載ながら、COVID19事変と向き合いながら、一市民として、一セラピストとして、できることを少しずつ、進めてみたい。

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にほんご版, Inspiration from my bookshelf, Uncategorized

頭蓋仙骨療法のJOHN E. UPLEDGER 著

“Your Inner Physician and You”  

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     CranioSacral Therapy and        SomatoEmotional Release

 1997年発行

第12章   Insights から

CranioSacral Therapyの生みの親である著者アプレッジャー氏は、当著62頁12章「洞察」の中で、慢性的な痛みやそのほかの疾患治療に長年専心的にかかわる中、細胞記憶、エネルギーシスト、ソマト・エモーショナル・リリース(体性感情解放)など、今でこそよく耳にするようになったこうした概念のほか、施術を行う人の意志や信念、手で触れること(Touch)の効果や影響の大きさ、医療行為の一環として用いるイメージ化や対話に秘められた力、こうした施術力のある人物の資質など、さまざまな奥義が見えてきたと述べています。(13章以降で各項目について述べられています)

中でも、潜在的な自己治癒力が十分に発揮できないその背景には、自己治癒力に関する何らかの否定的な思いがどこかにあるようだと、この本を書いた今から20年ほど前に示唆しています。

アプレッジャー氏は、自分が患者を治す(Cure)のだと信じていた以前の自分は、医者として未熟でり、思いあがっていたと述懐。しかし、患者こそHealingの主体であり、自分はその治癒力(Healing)を引き出すファシリテーターとして、各患者の治癒行程を見守り、伴走できることをありがたいと思い、医者である自分は生徒であって、患者は師であると静かに説いています。

 

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いんすぱいあーど

癒しの医療 - 時代は医を超える - 村尾国士

天外氏は・・・、IMG_1503

“「ホーリズム」という思想を一言でいうと、「部分の寄せ集めが全体ではない」ということです。構成している要素を細分化して、それぞれをいくら詳しく分析しても、全体としての働きを知ることができません。全体を知るためには、全部をまとめて観察しなければならないという思想です。

これを人間にあてはまると、各々の臓器や呼吸器系、循環器系などの働きをいくら調べても、人間全体はわからない、ということになります。この思想に基づく医療を、「ホリスティック医療」と呼ぶ・・・、

  1. 宇宙は根源的にひとつのものであり、あるひとつのものが、ほかのすべてのものとつながり合っているのが、ものごとの本当の姿(実相、リアリティ)である。
  2. その宇宙の統一性と、ひとりひとりの内なる「真の自己」ないし「高次の自己」は深く結びつき合っている。
  3. そのつながりは、心静かに魂と対話する黙想や瞑想によって、直感的に観察できる。
  4. 価値や意味は、このものごとの本当の姿(実相、リアリティ)にめざめ、そのつながりを自覚するところから生じている。